鳥肌と涙が止まらない---。
映画『君が生きた証 (原題: Rudderless)』。

『ファーゴ』『マグノリア』などで独特の存在感を放つ名優ウィリアム・H・メイシーの初監督作。

銃乱射事件で死んだ息子の遺した楽曲を自らが歌っていこうとする父親と、その曲に心打たれたミュージシャン志望の青年が音楽を通じて再生し、成長していく姿を描いた人間ドラマ。画像: シネフィル映画短評 第4回『君が生きた証』

主演のビリー・クラダップは、彼とバンドを組む青年役のアントン・イェルチンと一緒に、実際に歌とギター演奏を披露。
その他『スプリング・ブレイカーズ』などのセレーナ・ゴメス、メイシー監督の妻フェリシティ・ハフマンらが脇を固める。

音楽も役者も素晴らしく、それらすべての“想い”を感じたくて、引き込まれていく作品。
劇中で演奏される一曲一曲が、どれも心に沁み入ってくるほど素晴らしい。

心に響く物語の中にもユーモアが散りばめられた構成、脚本、演出も当然良いんだけれど、やっぱり吹き替えなしのビリー・クラダップの歌と演奏が素晴らしい。

苦悩や優しさ、強さが歌声に滲み出ててさ。楽器店のオーナーを人間味も存在感もたっぷりに演じた、ローレンス・フィッシュバーンも良かった。

何とも言えないラストシーン…鳥肌と涙が止まらない。
重い内容であとを引くんだけれど、なんかこうしっくりくるというか、腑に落ちる感じが心地良い。
音楽好きには観て欲しい作品。

シネフィル編集部 あまぴぃ

ウィリアム・H・メイシー監督インタビュー

社会人になってから、僕はずっと(俳優として)セットから別のセットへという生活を過ごしてきたから、監督業はこれが初めてだったけれど、少なくとも幾分かの自信はあった。
だけど僕にとって一番の難問は、「アクション」(撮影開始)という言葉をどんなふうに言うかということだった。正直に打ち明ければ、鏡の前で何度か練習して、自分のスタイルを見つけようとした。

監督の中には、俳優たちに気合いを入れさせるために叫ぶ人間もいる。またシーンの雰囲気に合わせて言う人間もいる。時にミステリアスに、時におかしく、時には悲しみに打ちひしがれた感じでね。

クリント・イーストウッドの場合は、何の飾り気もなく、極めて控えめに「オーケイ」と言うんだ。

結局、僕の場合、自分では「アクション」とは言わず、助監督に言ってもらった。僕にはその方がよかったんだ。というのも映画を監督するということは、芸術を作り上げるというよりも、列車に引きずられていくようなものだからね。

みんなに監督業はやらなきゃいけないことが山のようにあると言われたけど、それは正しかったよ。この3ヵ月という月日を振り返ると、これほどまでに一心不乱になったことはなかった。

そして今までで最も刺激的な経験でもあった。映画ビジネスにもう一度恋に落ちたんだ。そして今、僕が一番やりたい仕事が監督業なんだよ。

続きは以下より
http://rudderless-movie.com/interview.html

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